定期的なエンジンオイル交換は、CT125ハンターカブを長く乗り続けるための大切な習慣です。
しかし、いざオイル交換をしようと思うと「オイル交換のやり方が分からない」「オイル交換の工具は何を用意すればいいの？」といった悩みが…。
そこで今回は、CT125ハンターカブのオイルの交換について、徹底解説します！
CT125ハンターカブのメンテナンスまとめは、こちらをご覧ください。
➔【ハンターカブ】初心者向け！定期メンテナンスのやり方まとめガイド
エンジンオイル交換で必要な道具・部品の準備
エンジンオイル交換に必要なものは、基本的にホームセンターで購入可能です。
エンジンオイル（ホンダウルトラG1推奨）
推奨はホンダウルトラG1または、JASO規格MA・SAE 10W-30相当品です。
エンジンオイルについて、より詳しく知りたい方はこちらへ！
➔エンジンオイル比較・検証～ホンダウルトラG１、G２、G３、カストロール～
ドレンワッシャー(M12)
オイル漏れを防ぐ大切なパーツで使い回しは厳禁です。
使い回したい場合は、銅製のドレンワッシャーを使用して下さい。
ドレンワッシャーの仕組みや材質による違いは、下の記事まとめています。
→オイル交換で必要！おすすめドレンワッシャーと材質・仕組みについて
計量ビーカー
CT125ハンターカブのオイル量は700[㎖]が適正です。
エンジンが小さいので、しっかり計量する必要があります。
漏斗
新しいエンジンオイルを補充するために必要です。
私は100均で買いましたが、漏斗がオイル給油中に頻繁に外れます。
床清掃が面倒になるので、漏斗はちゃんとした物を揃えた方が良いかも？
オイルジョッキ
目盛り付きのオイルジョッキがあれば、計量ビーカーと漏斗は不要です。
しっかり先端がハンターカブのタンク内に入るので安心して作業が出来ます。
17mmのソケットレンチ
ドレンボルトを外すのに使用します。
10,12,14,17,19mmのソケットレンチが揃っていると、CT125ハンターカブの様々なメンテナンスシーンで活躍するので、１セットは持っておくと良いです。
トルクレンチ（24Nm対応）
ドレンボルトのトルク確認で使用します。
CT125ハンターカブのドレンボルトの適正トルクは24Nmです。
特に、ボルトがねじ切れた場合は最悪です。
エンジンそのものを修理する必要があり、高額の修理代が請求されます。
余談ですが…。
チェーン調整でもトルク管理が必要な場面があります。
59Nmまでカバーしてるトルクレンチがあると、チェーン調整でも活躍するので無駄にならないです。
廃オイル処理ボックス（ポイパック）
廃オイルを集めるモノであればなんでもOKです。
ポイパックを使えば、そのまま燃えるゴミに捨てられるので処理が楽！
パーツクリーナー
CT125ハンターカブのパーツを洗浄するのに使います。
手がオイルで汚れた時は、パーツクリーナーで手を洗うと簡単に汚れが落ちるので、覚えておくと良いでしょう。
初心者向けに、他にも揃えたい工具をまとめました！
➔【初心者必見】ハンターカブのメンテナンス・修理に必要な工具まとめ
CT125ハンターカブのオイル交換方法
交換手順を覚えるまでは時間がかかりますが、何度もエンジンオイル交換してるうちにどんどん短縮されます。
初心者のうちは焦らずゆっくり作業しましょう！
各種トルク・オイル情報は以下の通りです。
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| ドレンボルト | 24 Nm | M12 ワッシャー使用 |
| JA55 オイル量 | 700 ml | 公式マニュアル |
| JA65 オイル量 | 800 ml | 公式マニュアル |
| オイル種類 | ウルトラG1 | ホンダ純正推奨 |
作業中の確認用にどうぞ！
1.オイル交換の作業スペースと使う道具の準備
古いオイルを排出させるために、ドレンボルトを外す必要があります。
ドレンボルトの位置を確認しましょう！
この赤丸で囲んだボルトがドレンボルトです。
このドレンボルトを外すと、勢いよくエンジンオイルが出てきます。
ドレンボルトの真下辺りに新聞を敷くと、床が汚れずに済みます！
新聞を敷いたら、ポイパックを準備します。
ポイパックの中身を取り出し、紙袋の縁についている結束バンドを回収しましょう。
この結束バンドは、最後にポイパックの口を縛るのに使うので忘れずに！
次に紙袋を「内側」に2回折り畳みます。
ポリ袋を畳んで紙袋の縁に引っ掛ければポイパックの準備OK！
中の綿を軽くほぐして窪みを作ると、オイルの吸収効率が良くなります。
この完成したポイパックをハンターカブのドレンボルトの下に設置します。
2. CT125ハンターカブのドレンボルトを外す
完成したポイパックをドレンボルトの真下に置いたら、17mmのソケットレンチをスタンバイしましょう。
そのままボルトを開けると、一気にオイルが排出されて後処理が大変です。
初めて作業した時は、そのまま外して工具がオイルまみれになりました…。
ボルトを緩めてから手で外すと、レンチが汚れずに済みます。
オイルまみれになるので、外す時は手袋した方が良いです！
オイル汚れは手を洗ってもなかなか取れませんからね…。
外した直後は、こんな感じに勢いよくオイルが出るので注意してください。
オイル排出の勢いで、パッキンがポイパックの中に落ちることが多々あります。
ドレンワッシャーを再利用する方は、忘れずに回収しましょう！
3. 古いオイルの排出
しばらく古いオイルが流れてくるので、完全に流れ出るまで待機です。
だいたい10~15分くらいで完全に流れ出ます。
最後に、ドレンボルトやオイルの排出口をパーツクリーナーで清掃しましょう！
4. ドレンボルト締めとエンジンオイルを給油
清掃が終わったら、ドレンボルトを締めます。
ドレンボルトを締める前に、ドレインワッシャーを忘れずに！
なお、私はドレンワッシャー忘れてオイル入れたことがあります。
ドレンボルトからオイルがポタポタ漏れ出て大変だったので、皆さんはドレインワッシャーの通し忘れに注意して下さい。
ドレンボルトのトルクは24Nmです。
トラブル予防のため、トルク管理は忘れずに！
ドレンボルトが締まったのを確認したら、新しいエンジンオイルを投入しましょう。
適正量や推奨オイルはハンターカブ本体に記載されています。
※JA65の情報はホンダ公式「CT125・ハンターカブよくあるご質問」より引用
計量カップで注入量を計量したら給油開始です。
規定量以上のエンジンオイルを入れると故障に繋がります！
初心者のころ、多少オーバーして良いかと適当に入れたことがあります。
エンジン始動とともに、マフラーから大量の白煙が噴き出て焦りました。
必ずエンジンオイルは計量して、給油するようにしましょう！
ハンターカブの給油口はエンジンの側面の上にあります。
漏斗やオイルジョッキで給油すると、オイルを溢さずに給油できるので楽です。
700㎖入れ終わったら、給油口を締めて給油完了！
5. オイルレベルゲージの確認
最後にオイルレベルゲージで適正量入っているか確認しましょう。
オイルレベルゲージはエンジンの側面の下側にあります。
ネジ式になっているので、回してオイルレベルゲージを抜き出しましょう！
オイルレベルゲージを抜き出したら、必ずオイルをふき取って下さい。
オイルをふき取る理由は、オイルレベルゲージの状態をリセットするためです。
オイルをふき取ったらレベルゲージが差さっていた穴に、レベルゲージを差し込んでオイルを付着させます。
レベルゲージは回さず、穴に差し込むだけでOKです。
NG例を知ってほしいので、オイルを上限まで入れた状態にしました。
レベルゲージの先端を見ると分かりますが、◇が全部オイルで埋まってます。
これはオイルの入れ過ぎなので、余分なオイルを排出しましょう。
本来はこの◇が3つ埋まる程度が適正。
入れ過ぎた場合の調整が面倒なので、給油する際は600mℓだけ入れて不足してる場合に追加投入した方が効率的です。
6.ブリーザードレーンの確認
エンジンオイル交換に合わせてブリーザードレーンも確認しましょう！
公式には1年に1度の点検で良いとされていますが、忘れやすい作業なのでエンジンオイル交換のついてに確認すると良いです。
ブリーザードレーンはハンターカブ側面にあります。
ここに液体（未燃焼のガスが液体化した物や混合物）が蓄積してる場合は、ブリーザードレーンの透明なキャップを外して排出が必要です。
ラジオペンチやフライヤーで固定金具を挟んで外します。
左右に揺らしながら、少しずつ下にズラすと外れやすいです。
固定金具を外したら、透明なキャップも外します。
無理に引っ張ると千切れそうで怖いです…。
クリクリ回しながら引っ張ると、外れやすくなります。
見づらいですが、キャップの中に液体が溜まっていますね…。
この液体を排出して、キャップを清掃します。
キャップ清掃は、適当な細長い棒でウエスを押し込んで回す程度でOK！
清掃が終わったら、キャップ挿入して金具で固定すれば完了です。
最後に、ちゃんとキャップが固定出来ているか確認しましょう！
補足：オイル交換後の片付けとメンテナンス記録
確認作業が終わったら後片付けをしましょう！
このポイパックは2.5[ℓ]まで使えるので、ポリ袋の口を縛って次回のオイル交換まで保管します。
次のオイル交換で残量がくらい使えるか、忘れないようにメモも残しましょう。
同じようにエンジンオイルの残量もメモします。
メモ帳にメモするより、本体に記載した方がすぐ確認できるので便利です。
管理方法は他に良い方法があれば、そちらを優先させて下さい！
工具や床などに付着したオイルをパーツクリーナーで洗浄します。
汚れがない、ゴミも回収したらこれでオイル交換完成です！
忘れず最終確認！
エンジンオイル交換の作業で忘れがないか、もう一度確認しましょう。
準備万端なら、ツーリングへ出発です！
ツーリングする際は、念のため車載工具は持って行って下さい。
【CT125 ハンターカブ】車載工具7種｜活用法と実体験を紹介！
エンジンオイル交換の次におすすめのメンテ！
エンジンオイル交換のついでに確認すると効率が良いです！
空気圧点検とチェーン清掃はそれぞれ10分もあれば完了します。
CT125ハンターカブの快適な走りのために是非一緒に作業してみて下さい。
➔【CT125・ハンターカブ】タイヤ空気圧点検｜空気圧高過ぎ、低すぎの弊害
➔【CT125ハンターカブ】チェーン清掃・チェーン張り確認のやり方
エンジンオイル交換のQ＆A
疑問①：自分でエンジンオイル交換する利点は何？
➔回答：工賃が安く済みます。
最安のバイク屋でも、エンジンオイル交換を依頼すると「基本工賃＋オイル代」で約2,000円かかります。
小型バイクのエンジンオイル交換はマイナーな作業なので、ガソリンスタンドによってはオイル交換を拒否されることも…。
自分でエンジンオイル交換をすれば「オイル代」だけで済みます。
疑問②：エンジンオイルを入れ過ぎた場合はどうすればいいの？
➔回答：灯油用のスポイトで抜きましょう！
オイルチェンジーでも良いですが、CT125ハンターカブのように小さいバイクの場合はオーバースペックになりがちです。
疑問③：多少ならオイル入れ過ぎても良いよね？
➔回答：良くないです！
エンジンオイルを入れ過ぎた場合、上のようなトラブルが起きます。
燃費が悪くなる
エンジンオイルの温度が上がり、エンジンオイルの油膜がしっかり生成されません。
その結果、パーツ同士の摩擦が大きくなり抵抗増え燃費も低下します。
オーバーヒートを起こす
エンジンオイルの温度が下がらないと、冷却機能が果たせません。
燃費が悪くなるだけでなく、オーバーヒートを起こす原因にもなります。
マフラーから白煙が出る
エンジンオイルがエンジン内部まで入り込む原因になります。
ガソリンと一緒にオイルも燃焼して白煙を生成。
エンジンに負荷がかかりやすくなり、最悪はエンジンの交換になります。
アイドリングが不安定化する
侵入したオイルの燃えカスが、エンジン内部の動きを阻害します。
その結果、「回転数が上がらない」「回転が止まる」原因に…。
オイルハンマーでエンジンが故障する
入れ過ぎたオイルがハンマーのように打ち付けられます。
エンジンに強い衝撃が入り続けると故障し、エンジン交換する羽目に…。
疑問④：逆にオイルが少ない場合はどうなるの？
➔回答：エンジンオイルのパフォーマンスが低下します！
エンジンオイルが少ないと、これらの機能が低下します。
オイルの入れ過ぎも不足も良くないので、必ず計量してオイルを補充しましょう！
まとめ
CT125ハンターカブのエンジンオイル交換は簡単な作業です。
バイクいじりの入門として最適な作業ですので、ぜひチャレンジしてみて下さい！
