エンジンオイルは様々な種類があって、どれを選べば良いか困りますよね?
ウルトラシリーズやプロホンダシリーズ、社外品と選択肢が多い…。
この記事では、正規品のプロホンダシリーズをメインに比較を行います。
Pro Honda(プロホンダ)シリーズの特徴や目的を理解して、自分にピッタリのエンジンオイルを選びましょう!
Pro Honda(プロホンダ)シリーズの比較表
項目 | プロホンダ スタンダード | プロホンダ スポーツ | プロホンダ プレミアムスポーツ |
---|---|---|---|
粘度 | 5W-30 | 10W-40 | 10W-30 |
主な用途 | 通勤 ツーリング | 長距離 オフロード | 万能 |
耐熱 | 弱い | 強い | 強い |
耐寒 | 強い | 弱い | 強い |
操作性 | 変化なし | 向上 | 向上 |
コスト | 安い | やや安い | 高い |
エンジンオイルの大きな違いは「粘度」です!
このように粘度の違いでエンジンオイルの特性は大きく変化します。
ご自身の使用目的を上の表に照らし合わせてみて下さい。
用途・目的別|Pro Honda(プロホンダ)と社外オイル
とりあえずで選ぶならPro Honda Standardがオススメ!
スポーツ走行したい方はPro Honda Sportsがベスト!
より快適な走行を目指すならPro Honda Premium Sports!
社外でもいいから安く済ませたい!そんな時はカストロールがオススメ!
目的別にエンジンオイルを選ぶと間違いないです!
ここからはPro Honda(プロホンダ)について深堀します。
エンジオイルの粘性・粘度とは何か?
端的に言うと…
粘性が高いと高温に強く、エンジン保護の油膜が維持しやすくなります。
粘性が低いと低温に強く、寒冷地でもスムースなエンジン始動が可能です。
オイルの粘性 | 高温の油膜 | 低温の凝固 |
---|---|---|
高い | 維持しやすい | 凝固しやすい |
低い | 切れやすい | 凝固しにくい |
エンジンオイルの始動性・粘性の見方
Pro Honda(プロホンダ)のボトルを確認すると「10W-30」と書かれています。
この数字がエンジンオイルの始動性・粘性です。

この数字の見方は…。
を示しています。
数字が高いほどエンジンオイルの粘性が高くなるため、前半の数字が小さい方がエンジン始動性に優れ、後半の数が大きいほどエンジン保護性能が高いです。

「W」はWinter(冬)の頭文字なので、分からなくなったら思い出して下さい。
他のPro Hondaシリーズとカストロールの粘性も紹介します。
Pro Honda(プロホンダ) Standardの始動性・エンジン保護性能

粘性:5W-30
冬のエンジン始動性が高く、高温時のエンジン保護性能はそこそこです。
通勤やツーリング程度ならこれくらいの性能で十分ですね!
Pro Honda(プロホンダ) Sportsの始動性・エンジン保護性能

粘性:10W-40
高温時の粘性が高く、高回転・高負荷でも油膜を形成してエンジンを保護する性能が高いエンジンオイルです。
冬のエンジン始動性はPro Honda Standardに比べると劣ります。
Pro Honda(プロホンダ) Premium Sportsの始動性・エンジン保護性能

粘性:10W-30
高温時の粘性とエンジン始動性のバランスを両立したエンジンオイルです。
不純物を取り除いた完全合成油なので、数字以上に高い性能を発揮します。
カストロールの始動性・エンジン保護性能

粘性:10W-30
Pro Honda Premium Sportsと同じ粘性ですが、こちらは部分合成油のため数字通りのスペックになります。
冬の始動性は低めで、高温時のエンジン保護性能もそこそこ。
価格が安いことを考えると「十分かな?」って感じです。
ホンダウルトラシリーズとPro Honda(プロホンダ)シリーズの互換性
CT125ハンターカブの車体を確認すると、ホンダウルトラG1が推奨です。

しかし、ホンダウルトラG1は生産終了…。
この場合、「推奨オイルはどうなるのか?」疑問になりますよね?
結論を言うと、Pro Honda Standardと互換性があります。

ホンダの公式HPでPro Honda StandardとホンダウルトラG1の規格を比較すると、同じ「SAE規格:5W-30 / API規格:SL / JASO規格:MA」となっています。


粘度・規格が同じものであるため、Pro Honda Standardと推奨オイルと同等と考えて間違いないです。
同じ方法でウルトラシリーズとPro Honda(プロホンダ)シリーズを比較すると…。
変更前 | 変更後 | 互換性 |
---|---|---|
ホンダウルトラG1 | Pro Honda Standard | 互換あり(G1相当) |
ホンダウルトラG2 | Pro Honda Sports | 互換あり(G2相当) |
ホンダウルトラG3・G4 | Pro Honda Premium Sports | 互換なし 性能アップで統合 |
ウルトラG1とG2は互換性がありますが、ウルトラG3は互換がありません。
ウルトラG3は、在庫があるうちに集めた方がいいですね!
ロングセラーのエンジンオイル:Pro Honda(プロホンダ) Standard
通勤からツーリングまで、日常使いならStandardで十分!
Pro Honda Standardの長所
Pro Honda Standardはホンダ製エンジンに最適化されており、信頼性が高いです。
取り扱い店舗が多く、どこでも入手できるのが強み。
Pro Honda Standardの短所
通常使いから外れる場面では、その粘性の低さが欠点になります。
特に夏のロングツーリングや渋滞に弱いので注意が必要です。
こんな人にオススメ!
名称が変わりましたが、「純正入門オイル」として長く愛されてきた製品です。
信頼・実績を重視する人、寒い朝の始動性を確保したい人にオススメ!
高負荷・高回転に強い:Pro Honda(プロホンダ) Sports
長距離ツーリングや高速道路を多用する人は、Pro Honda Sportsがオススメ!
Pro Honda Sportsの長所
粘度が高いため、衝撃を緩和して静音性・操作性向上に一役買ってくれます。
エンジンに優しいオイルがPro Honda Sportsの特徴です。
Pro Honda Sportsの短所
粘性が高いことで、エンジンの内部抵抗が高くなり燃費が悪くなります。
Pro Honda Standardに比べると燃費・価格と財布に厳しいエンジンオイルです。
こんな人にオススメ!
ツーリング回数が多い人、動きをスムーズにしたい人にオススメです。
猛暑に耐性があるので、夏場だけ使用すると言うのもアリ!
始動性と保護性を両立:Pro Honda(プロホンダ) Premium Sports
ボアアップ、レーシングなどエンジンを高速回転させるならPremium Sports!
Pro Honda Premium Sportsの長所
旧品のウルトラG3からさらに性能向上し、耐熱性・潤滑性が強化されました。
しかも価格はウルトラG3より抑えられ、隙のないエンジンオイルです。
Pro Honda Premium Sportsの短所
価格が安くなったとは言え、それでもStandardやSportsよりも高価です。
間違いなく高性能ですが、お財布との相談になりそう…。
こんな人にオススメ!
競技性の高いスポーツ走行やエンジンにとって過酷な環境で走行する人向けのエンジンオイルです。
社外品でも安く抑えたい:カストロール
カストロールの長所
純正オイルが軒並み2,000円近くに値上がりする中でも、カストロールは1,000円台と非常に低価格で購入出来ます。
エンジンオイルの特性もPro Honda Sportsと同等で、操作性に大きな影響を与えずに大幅なコストカット出来るのが強みです。
カストロールの短所
カストロールは鉱物油で、熱や外気で酸化しやすくエンジンの消耗を早めてしまうリスクがあります。
交換頻度を守れば問題ありませんが、オイル交換が面倒に感じる人は他のエンジンオイルを使う方が無難です。
こんな人にオススメ!
純正オイルの1/2の価格で購入できるので、ランニングコストは大幅削減できます。
ただし、こまめな整備が必要なので初心者にはオススメ出来ないかも?
初心者の方はオイル交換の記事を見て「自分でも出来そう」なら購入して下さい。
➔【CT125ハンターカブ】オイル交換徹底ガイド|オイル交換のQ&A付き
Pro Honda(プロホンダ)シリーズのスペック実証


リニューアルされたホンダのエンジンオイル「Pro Honda(プロホンダ)シリーズ」のスペックが気になったので検証実験をしました。
なお、Pro Honda(プロホンダ)シリーズは名称が長くて面倒なので…
という様に呼称するでご了承ください。
なお、ホンダウルトラシリーズの検証実験も行っています。
気になる方は、こちらの過去記事を参照して下さい。
➔エンジンオイル比較・検証~ホンダウルトラG1,G2,G3,カストロール~
冬の始動性実験
冬の始動性を再現するため、各種エンジンオイルを冷凍庫に一晩放置。
冷凍したエンジンオイルをかき混ぜてどれだけ凝固してるか確認します。
こちらの一日冷凍したプロホンダシリーズとカストロールです。


ちょっと冷凍し過ぎたかな…?
ここにドライバーを入れてかき混ぜて見ます。
プロホンダ スタンダードの始動性実験


冷凍前と比較すると、サラサラ感はやや低下、かき混ぜるとやや抵抗を感じる程度。
室温25度で放置すると3分ほどで、元のサラサラなオイルに戻りました。
始動性が5Wなので、さすが寒さに強いですね!
プロホンダ スポーツの始動性実験


かき回すと水飴のような手応えで、冷凍前に比べると抵抗が増しています。
室温25度で5分程度放置すると元に戻りました。
抵抗が大きいので、暖気なしで走行するとエンジンに負荷がかかりそう…。
プロホンダ プレミアムスポーツの始動性実験


始動性は10Wでスポーツと同じですが、こちらはサラサラでした。
かき混ぜると多少の抵抗はありますが、スポーツほどの重さはなく、どちらかと言うとスタンダードに近い感覚です。
室温25度で放置すると3分程度で、完全にサラサラになりました。
カストロールの始動性実験


カストロールもスポーツ同様にドロッとしています。
かき混ぜると水飴のような感触で、ここもスポーツと似た感覚です。
※室温25度・5分放置で元のエンジンオイルに戻っています。
始動性実験の結果
オイル名 | 抵抗 | 復活速度 | 耐寒性 |
---|---|---|---|
Pro Honda Standard | やや抵抗あり | 3分程度 | 高い |
Pro Honda Sports | ほぼ水飴 | 5分程度 | 低い |
Pro Honda Premium Sports | ほぼ抵抗なし | 3分以内 | 高い |
カストロール | ほぼ水飴 | 5分程度 | 低い |
冬の始動性はプロホンダ スタンダードとプロホンダ プレミアムスポーツが最適。
カストロールとプロホンダスポーツは、予想通り低温に弱い結果です。
同じ10WでもプレミアムスポーツはホンダウルトラG3から始動性を強化されているため、かき混ぜたときの抵抗が一番少ないという結果には驚きました。
これで従来のホンダウルトラG3より価格が安いのはお得感ありますね!
高温時のエンジン保護性実験
走行時の高温を再現するため、エンジンオイルを湯煎します。
80度になったら、エンジンオイル内で金属棒を擦り手応えを観察。
これが湯煎中のエンジンオイルです。


温泉に浸かってるみたいで気持ちよさそう。
ここにノギスとマイナスドライバーを入れて、目盛りを擦ります。
プロホンダ スタンダードのエンジン保護性実験


目盛りを擦った感覚がそのまま伝わっています。
Pro Honda Standardの粘性は30のため、予想通りの結果です。
プロホンダ スポーツのエンジン保護性実験


ドライバーを擦り合わせるとゴリゴリ感が大幅に減少、ノギスとマイナスドライバーの間に何か挟まっている感覚がします。
おそらく、この挟まってる感覚がオイルの油膜ですね。
プロホンダ プレミアムスポーツのエンジン保護性実験


こちらもゴリゴリ感が緩和されています。
ノギスとマイナスドライバーの間に油膜があり、摩擦から守っている感じがしました。
カストロールのエンジン保護性実験


スタンダードと同じように擦った手応えがそのまま感じます。
カストロールも高温に弱いみたいですね。
エンジン保護性実験の結果
オイル名 | 触感 | 耐熱性 |
---|---|---|
Pro Honda Standard | 抵抗なし | 低い |
Pro Honda Sports | 油膜あり | 高い |
Pro Honda Premium Sports | 油膜あり | 高い |
カストロール | 抵抗なし | 低い |
高温ではプロホンダ スポーツとプロホンダ プレミアムスポーツが最適です。
プロホンダ スタンダードとカストロールは予想通り熱に弱い結果。。
ここまでの実験で、これ1本で暑さにも寒さにもプレミアムスポーツは優秀だなと感じました。
1年通して同じエンジンオイルを使うなら、プレミアムスポーツが良さそうですね!
CT125ハンターカブで走行実験(ほぼ感想)
各エンジンオイルをCT125ハンターカブに入れて実際に走ってみました。
実験は8月に実施して、各エンジンオイルで500km走行しています。
プロホンダ スタンダードの走行実験


ホンダウルトラG1から変更ありましたが、操作性はこれまで通りで変化なし。
炎天下の中、エンジンを高速で回すとカラカラと異音します。
ウルトラG1にも言えることですが、スタンダードは冬季に活躍するオイル。
「夏場はこんなものかな?」といった印象です。
プロホンダ スポーツの走行実験


発車や加速時のギクシャクした感じが無くなり、スィーと動く感覚がします。
特に発進・加速・ギアチェンジと全体的にレスポンスが良くなった感覚があり、バイクで走るのが楽しくなりました!
気温32度で走行した際は、エンジン高速回転でも異音はなく走りも滑らかです。
プロホンダ プレミアムスポーツの走行実験


こちらも動作全体のレスポンスが良く、動きがスムーズになっています。
気温30度・エンジン高速回転で、エンジンから異音なく油膜効果が効いてるなと感じるエンジンオイルです。
確かにオイル性能は高いと思うのですが、私が使う範囲ではスポーツと明確な差が感じられませんでした。
大型バイクだったり、長距離ツーリングで真価が発揮される…かな?
カストロールの走行実験


スタンダードと同等の乗り心地でした。
同じ操作性・乗り心地で価格がスタンダードの半分なら、悪くないエンジンオイルだと思いました。
始動性が低い欠点も、冬はスタンダード・夏はカストロールと切り替えれば問題なく使えるので、ランニングコストの削減に役立ちそうです。
始動性/保護性/実走の実験結果まとめ
オイル名 | 冬の始動性 | 高温時の保護性 | 猛暑で実走 |
---|---|---|---|
Pro Honda Standard | 良い | 低い | 異音あり |
Pro Honda Sports | 暖気必要 | 高い | レスポンス良好 異音なし |
Pro Honda Premium Sports | 良い | 高い | レスポンス良好 異音なし スムーズに動く |
カストロール | 暖気必要 | 低い | 異音あり |
スペック面で見るとプレミアムスポーツが一番性能良さそうです。
ただし、感じる変化はそう多くない結果に…。
CT125ハンターカブの場合は、購入価格が低いカストロールや変化と価格が釣り合うプロホンダ スポーツを使った方が割に合うかなと思います。
これまでの検証を参考して貰えると、検証を頑張った甲斐があります!
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